オペラ《リナルド》の台本と歌詞が異なる 「私を泣かせてください(Lascia ch'io pianga)」は オペラ《リナルド》 の中のアリアです。 オペラでは、 アリアの前に登場人物どうしの会話 がレチタティーヴォで描かれます。 レチタティーヴォ オペラの台本では、 レチタティーヴォ最後の主への祈り「Signor! Ah! per pietà lasciami piangere. (神様、ああ! どうか涙を流すことをお許しください。)」がありません 。 バロックオペラの登場人物たちは 往々 おうおう にしてギリシャ神話の神々の名は出すのですが、「主よ」という祈りは口にしません。 神聖な神の名を劇場で出すことは 憚 はばか られたので、当時の台本作家たちは書かなかったそうです。 アリア アリアの歌詞は一部異なっています。 全音版では「 la dura sorte (つらい運命)」の箇所が、オペラアリアでは「 mia cruda sorte (私の残酷な運命)」と歌われます。 全音版のヴァージョンは、ヘンデルのオリジナルのオペラスコアではなく、 19世紀にヨーロッパで出回っていた楽譜 を参考にしているようです。 「私を泣かせてください(Lascia ch'io pianga)」の対訳 レチタティーヴォ アルミーダ、冷酷な女! 冥府の力で私を誘拐した、 あの喜びにあふれた美しい空で。 そしてここで、終わらない苦しみと共に 私を地獄の苦しみの中で生き永らえさせるとは。 神様、ああ!
と、ツッコミたくはなるものの、やっぱりうまいし、ホグウッドの音楽解釈は信頼できるし、よい録音だと思います。 ホグウッドはヘンデルに関する分厚い書籍も出しています。 音楽的な面だけでなく、ヘンデルの人柄も伝わってくるような良書 。読みごたえあっておすすめですよ。 ヘンデル 「私を泣かせてください」を歌うときのポイント 歌うときのポイントを、レチタティーヴォ、Aパート、Bパートに分けて解説します。 もし可能なら、 Da capoして歌うAパートには 装飾 を加えましょう 。 レチタティーヴォ レチタティーヴォの練習方法は、 まず楽譜通り歌えるようにします。 退屈でも、 音程とリズムを正確に 、歌詞を入れずにアなど歌いやすい母音で歌ってみましょう。 音程とリズムを体が覚えたら歌詞を入れます。まだ、 崩さずに楽譜通り 。 イタリア語の歌詞をしゃべってみて、 言葉のフレーズ感を生かせるようにリズムを速くしたり、引き延ばしたり してみます。 自然なイタリア語のニュアンスを知ることが必要なので、指導してくださる先生に 表現豊かに音読していただき 雰囲気をつかみましょう!